ホーニング加工とは

ホーニング加工は、円筒内部の幾何精度と表面品質を向上させるために用いられる精密研削法の一つです。

複数の棒状砥石(ホーン)をホーニングヘッドに取り付け、回転運動と軸方向の往復運動を組み合わせることで、加工面に均一な研削作用を与えます。特にシリンダ内面の仕上げ工程で広く採用されています。前加工(ボーリング、リーマ加工、内面研削など)で成形された穴を基準に、表面の平滑化だけでなく真円度・円筒度・直進性の向上を目的として実施されます。

1. ホーニング盤の概要と分類

ホーニング盤は、主軸に取り付けたホーンに回転と往復の動きを与えるための装置で、工作物はテーブル上に固定します。

回転機構には
・モーターから直接プーリで駆動する方式
・歯車を介した駆動方式
があります。

往復運動は
・機械式
・油圧式
のいずれかが一般的です。

また、近年は自動定寸機能(ゲージマチック、サイズマチックなど)を備えた機種が普及しています。構造により、ホーニング盤は立形・横形・傾斜形に分類されます。

■ 立て形ホーニング盤

主軸を垂直に配置した形式で、
・加工精度が高い
・作業効率が良い
・工作物の着脱が容易
・占有スペースが小さい
・精密摺動部の内径修正
といった利点から最も一般的です。
ただし、長尺物には不向きで、その際は横形が使用されます。

ホーニング研磨

■ 横形ホーニング盤

長尺のワークを加工する場面で用いられます。
手持ちで往復させる小型機にも横形が採用されています。

■ 傾斜形ホーニング盤

V型エンジンブロックの複数穴をまとめて加工するなど、角度の異なる穴を同時にホーニングする場合に適しています。

2. ホーニングヘッド

ホーニングヘッドは外周に砥石を保持し、内部に砥石を半径方向へ拡張させる仕組みを備えています。加工精度・作業効率を左右する重要なユニットです。

図面

砥石の拡張方式には以下があります。

■ バネ加圧式

挿入時にバネ力を弱め、加工中にバネ力で砥石を押し広げる方式。

■ 拡張棒式

円すい形の拡張棒を回転させ、ねじ作用で砥石を押し出す方式。

■ 油圧式

油圧で円すい部を動かし、砥石を拡張させる方式。
精度要求が高い加工に適しています。

ホーニングヘッド

3. ホーニング砥石(ホーン)

砥石の構成

砥石は、砥粒・結合剤・気孔で構成され、WA(白色アルミナ)、GC(緑色炭化ケイ素)が一般的です。必要に応じてダイヤモンド砥石やCBN砥石も使われます。
粒度は100〜500番程度が用いられ、加工段階に応じて選択します。
結合剤にはビトリファイド、レジノイド、メタルボンドなどがあり、対象材質によって使い分けられます。
砥石形状は四角断面の棒状で、長さは工作物の2/3〜2倍が目安です。幅は3〜16mm程度のものが使われます。

砥石

4. 研削液

ホーニングで用いる研削液は、
・砥石の目詰まり防止
・切り粉除去
・潤滑
を主目的とし、通常は鉱物油系の混合油が使用されます。

再循環させる場合は、切り粉を確実に除去する必要があり、マグネチックセパレータの併用が推奨されます。

ホーニング研磨

5. 加工条件

加工面にはクロスハッチと呼ばれる斜めの研削痕が形成され、これは油膜保持を改善し、摺動特性の向上に寄与します。交差角は10〜30°が基準です。

再循環させる場合は、切り粉を確実に除去する必要があり、マグネチックセパレータの併用が推奨されます。

● ホーニング速度
円周速度と往復速度の合成で決まり、材質や砥石条件で調整します。

● ホーニング圧力
加工能率と仕上がりに影響し、荒加工では高圧、仕上げでは低圧を用います。



超仕上げ加工(Superfinishing)

超仕上げ加工は、ホーニング加工と同様に精密仕上げを目的とした加工法で、粒度の細かい砥石を低荷重で加工面に接触させ、工作物の回転運動に砥石の微小振動を組み合わせることで、表面を高精度に仕上げる技術です。

この方法では、砥石の結合度は比較的低く設定され、微細な砥粒が連続的に脱落することで新しい切れ刃が現れ、安定した切削状態が維持されます。

円筒外周部など、精度が求められる摺動面の仕上げに広く使用されています。

超仕上げの特長として、
・非常に平滑な仕上げ面が得られる
・仕上げ面に特定方向の筋がほとんど残らない
・加工能率が高く、量産にも適する
といった点が挙げられます。

1. 超仕上げ装置

超仕上げ加工には、
・既存の工作機械にユニットとして取り付けるタイプ
・専用の超仕上げ盤
の2種類があります。

ユニット式の場合、工作機械の主軸運動を利用し、追加されたユニット側で砥石の微小往復(振動)運動と加圧制御を実施します。

構成要素は主に以下です。
・砥石に振動を与える機構(電動、空気圧、油圧など)
・加圧機構(主にバネ式、他に油圧式・空気圧式)
・砥石保持具
専用機では振動機構や加圧機構がより最適化されており、一定品質を維持した量産に向いています。

2. 超仕上げ用砥石

超仕上げ砥石は、一般的な研削砥石よりも粒度が細かく、結合度が弱めに設計されています。
加工目的は「微細な表面粗さの改善」であり、砥石の摩耗により新しい刃先が現れることで、過剰な力を加えずに均質な仕上げが可能になります。

砥石材質・粒度・結合剤は加工対象材質に応じて選択されます。
特に、最終仕上げとして表面方向性を抑制する必要がある部品には、超仕上げが適しています。

3. 加工の効果と用途

超仕上げ加工は、以下の効果を狙って実施されます。
・表面粗さの大幅な低減
・摩擦・摩耗特性の改善
・摺動部での発熱抑制
・表面の方向性がほとんどない均質な仕上げ面の形成
・回転部品の性能安定化
代表的な適用部品には、軸受部、シャフト類、エンジン関連の摺動面など、高い信頼性が要求される部品が含まれます。

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