今日の記事は、先日行った作業についてです。
非常に難しい案件でした。
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内径 Φ300.6
指定公差 ±0 ~ ∔0.05
内面の面粗さ▽▽▽▽
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ホーニング機にセットした図
いつも通りのホーニング加工では解決できないほどのパイプの歪みがあり、
内径寸法の計測時も1カ所のみ測って「仕上がった!」と思っても十字・四方・八方での計測で部分的にマイナスであったり . . .
パイプの同じ位置の上下でも寸法が違ってきました。
では、どのようにホーニング加工をし、しかも指定の公差内に収めることができたのか。
説明していきましょう。
過去にこの様なパイプのホーニング加工で失敗を繰り返し、得た教訓が生きました。
まず、気を付けなければいけないこと、
①チャックで機械に固定する際に決して締めすぎないこと。
これは歪んだパイプをチャックで強く締めるとそのいびつのまんまホーニングすることになりチャックを緩めたとたん歪がひどくなります。
次に、
②ホーニングヘッドの砥石はかすかに内面に当たる程度に設定し、低速回転にて時間をかけホーニングする。
これは、ホーニング加工で内径を広げるというよりは、パイプの歪を取りながら内径の狭い部分のみを広げていくといった方がよいでしょう。
③パイプは熱などでも膨張、縮小するため、休み休みパイプを冷やしながら時間をかけ行い、最終的にある程度の歪みを取り除き
指定公差内で収める。
④最終的に公差の下寸手前から磨き作業に切り替え、面粗さ ▽▽▽▽ にて仕上げる。
(磨き作業での注意点も①~③同様)
と言う様な点に気を付けながらホーニング加工。丸4日かけてようやく仕上がりました。
パイプ内径 Φ300.6 指定公差(±0 ~ ∔0.05)
仕上がり寸法 → (合計16カ所計測し) 最大値+0.04 最小値+0.02
時間と労力はかかりましたが、お客様の喜ぶ顔を想像しながら . . . 今回も無事に作業終了。
今回の流れの中で新たに発見したこともありましたのでそれらは次回につなげていきたいと思います。
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